

発熱
熱の高い低いは余り重要ではありません。まず以下の点をチェックして下さい。
- 他の症状(咳、息苦しさ、胸の痛み、下痢、嘔吐、耳痛など)に伴うものですか?
- 尿の状態:量は十分に出ていますか? 回数は? 色は濃いですか?
- 水分摂取はできていますか?
- 食欲はありますか?
- 機嫌は良いですか?
以下の場合の発熱は、深夜であっても病院に直行した方がよいでしょう。
- 呼吸苦(胸痛、かすれ声、こぶしをのどに押し込むetcも注意)を伴う。
- 耳をひっぱったり、痛みを訴える。
- 反応が低下(ぐったり)している。
- 痙攣を伴う(すぐに止まっても)。
- 激しい頭痛、繰り返し吐く、あごを胸につけられない。
- 6ヶ月(特に3ヶ月)未満の赤ちゃん。
子どもにとって高熱を出すというのは、子どもの病気の初期症状として最も多いものの一つです。多くの場合、熱は病原体(ウイルス・バイ菌)による感染症に関連して出てきます。あくまでも病気の症状の一つにすぎません。病気の原因が取り除かれれば自然と無くなるものです。つまり、生体は体温を高めることで、免疫活性を高め、病原体の活動性を押さえて体内から排除しようとします。発熱は病気の治癒に不可欠な要素であるということです。

子どもの「ご機嫌や行動パターン」が一番の指標になります。
高熱であっても、機嫌良く遊び、水分摂取ができていれば(食欲があればなお)まず心配いりません。あまりにもぐったりしているようであれば、熱冷ましで一時的に熱を下げる処置をして機嫌の変化を観察すればよいでしょう。

せき
熱の次に、子どもに多い症状が咳です。
- どの時間帯(起床時、日中、夕方、寝入りばな、寝ている間)に多いですか?
- どのような(乾いた、ゴロゴロ、犬の鳴くような、ゼーゼー)咳ですか?
- 夜睡眠は十分にとれていますか?
- 寝返りを打った時や、仰向けの時など、どのような姿勢の時に出やすいですか?
- 何日ぐらい続いていますか?
診察時に必ずしも症状を説明できる胸の音が聴取されるとは限りません。むしろ、急性気管支炎などは夜間に特徴的になることは珍しくありません。その為、お母さん方の注意深いせき症状の観察が重要になるのです。
以下のせきを認めた時にはすぐに受診されるのがよいでしょう。
- 荒い、アシカや犬が吠えるような咳で、熱を伴っている場合。
- 高熱を伴い、突然せき込む事が多く、胸の痛みや息苦しさを感じる時。
- ゼーゼー、ひゅーひゅーいうせきで息苦しさを感じる時。
- あばれたり、深呼吸するとひどくなる持続的に出るせき。
- のどの痛みを伴うせき。
- 2才未満の子どもの息が荒く、激しいせき
- 突然出て、息を全て吐き切るまで止まらず、最後にヒューとのどが鳴るようなせき。

突然せき込みはじめ、他に何も症状がない場合、異物を飲み込んだ可能性がありますので注意が必要です。

泣く、痛がる
小さい子ほど、痛いという表現ができず、ただ泣き叫ぶだけのことがよくあります。
往々にして緊急対応を必要とする場合があります。以下の点に注意して観察して下さい。
- いつから痛がり(激しく泣き)始めましたか?
- どの部位(頭、お腹、手足、胸、その他)を痛がっているようですか?
- 痛みは周期性(30~60分毎など)があるようですか?
- 痛みが始まる直前、お子さんの様子はどうでしたか?
- 熱、嘔吐、下痢、便秘など他の症状を伴っていませんか?
- 痛み以外で変わった様子はありますか?機嫌は良いですか?ぐったりしていますか?
- 最後に出た便の状態はどの様なものでしたか?
- しきりと耳に手を持っていったりしませんか?
- 首はむりなく回すことができますか?あごを下げるのを嫌がりませんか?
- 簡単に気をそらすことができますか?それとも、ずっと痛がっているようですか?
痛みを訴えていても、簡単に気が紛れ、遊んでいる時や楽しいことに熱中している時には訴えがない場合(とらえどころのない痛み)や夜間睡眠中に突然手足を痛がる場合(成長痛)などはゆとりを持って観察を続ければよいでしょう。
但し以下の場合は救急受診をして下さい(家庭で簡単に確認できます)。
- 痛みのあるなしにかかわらず、無気力でぐったりしている時。
- 強い頭痛に嘔吐や首の痛みをともなう(あごを下げることができない)時。
- 便に血が混じっている時。
- 腹痛時にケンケンをすると痛みが強くなる場合。
- しきりに耳をひっぱったり、痛がる時。
- 痛みの程度がどんどん強くなっている、または周期が短くなっている。

何かいつもと違う、おかしいという親(特に母親)の直感が正しいことを度々経験します。私たちは「うまく言えないけれど何か変なんです。」という言葉にドキッとします。

鼻汁
鼻汁だけであれば緊急性を要することはありません。
急性鼻炎はほぼ100%、ウイルス性かアレルギー性で、抗生剤を必要とするケースはありません。
- 鼻汁の性状はどうですか?(水様、ねばねば、色の変化、臭いなど)
- 痰がらみのせきを伴いますか?
- いつから出始めましたか?
- 鼻づまりは強いですか?
- 温度変化によって出やすくなりますか?
- 目のしたにクマができていますか?
- 頭痛はありますか?
一般的にウイルス性急性鼻炎は通常10日以内の経過で自然に治ります。せいぜい抗ヒスタミン剤などによる対処療法のみで十分です。
以下の時に急性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、マイコプラズマやクラミジア感染、時に百日咳を疑い、検査・治療する必要があります。
- 強い鼻症状(持続性の膿鼻汁、頭痛、強い鼻づまり)が10日以上続く場合。
- 鼻の周囲を押さえた時に痛がる。
- 咽頭痛が強く、乾いた激しい咳を伴う場合。
- アレルギーの履歴、家族歴、涙、目のかゆみなどを伴う場合。

鼻汁の色だけではバイ菌が関係している証拠にはなりません。特に、発症後2~3日で出現する黄色の鼻汁は必ずしもバイ菌によるものではありません。
ただし、乳白色→くすんだ緑色→濃い黄色の鼻汁に徐々に変化してきた場合は、バイ菌が感染し始めている可能性が高いと考えられます。
しかし、最近ではバイ菌による急性副鼻腔炎であってもすぐに抗生剤を使用することに疑問を投げかける報告(論文)が増えています。

嘔吐・下痢
嘔吐・下痢の最も多い原因はウイルス性の胃腸炎(胃腸カゼ)です。この場合、水分が何とかおさまって、尿が十分に出ていればゆとりを持ってみることができます。
もちろん、他にも原因となるものはありますので、小児科医は以下の点をよく質問します。
- 保育園、幼稚園、小学校などで何か流行していますか?
- 発熱や咳など他の症状を伴っていますか?
- 便の中に血が混じってはいませんか?
- 便の性状(形、色、臭い)はどうですか?
- 水分は十分にとれていますか?尿は出ていますか?
以下の場合は胃腸カゼ以外の原因も考えられますので、できるだけ医師にご相談頂いた方がよいでしょう。
- ある特定の食品(食材)の摂取後におこる場合。
- 頭を強く打った後。
- 頭痛を訴えて、吐き始めた場合。
- 腹痛を伴い、時間が経つにつれて痛みが強くなる場合。
- 咳があり、吐物に痰が混じっている場合。
季節的な要素も重要です。冬場に比べ夏場には食中毒の頻度が増えます。食中毒の原因菌としてはO-157に代表される病原性大腸菌と病原性ブドウ球菌が主なものになります。いずれにせよ手洗いとうがいを習慣づけることが大切です。

食べなければ体力が弱る。と思いがちです。嘔吐・下痢の状態でムリに固形物を摂取させることは嘔吐を誘発して逆に体を消耗させてしまいます。とにかく、水分・塩分・糖分のバランス良い摂取のみを心がけます。最近では経口補水液(OS-1、アクアライトなど)がドラッグストアで購入出来ますので、それを利用されるとよいでしょう。嘔気が強い場合は、5分毎に少量(体重10kg未満は1回10mL以下、15kg-15mL、20kg-20mLくらい)の経口補水液をスプーンなどで一匙ごとに含ませるようにします。3時間くらい吐かないで飲めるようになってきたら、1回の摂取量を徐々に増やしてゆきます。どうしても水分がおさまらない場合は、医療機関にご相談下さい。
食事については、食欲が戻るまではうどん、おじや、おかゆに梅干といった養生食で結構ですが、食欲が戻り次第、できるだけ早く通常の食事に戻します。乳児は哺乳やミルクを辞める必要はありません、こまめに哺乳させて下さい。また、ミルクを薄める必要もありません。最近では下痢をしていても上記の対応の方が回復が早いと考えられています。
通常、嘔吐は2-3日、下痢は1週間くらいで自然に治ることがほとんどです。

皮膚のトラブル
最近は、アトピー性皮膚炎や乾燥肌に苦しんでいる子ども達が増えてきました。
寄生虫感染が減り、生活環境があまりにも清潔すぎることも一因といわれていますが、今更、サナダ虫を飼う気にはなりません。
- お子さんの年齢は?
- 初めての物を食べたり、飲んだり、初めての物で遊んだりしませんでしたか?
- 犬、猫その他、動物に触りませんでしたか?
- 丈の高い草むらや、その付近で遊んでいませんでしたか?
- お子さんのクラスで何か病気が流行っていませんか?
- 最近、予防接種を受けましたか?
- 熱はありますか?
- かゆみはありますか?
- 全身に出ていますか、それとも限られた場所に出ていますか?
- 左右対称に出ていますか?
- どの様な形ですか? 丸いですか?平べったいですか?盛り上がっていますか?etc
- ずっと出ていますか? それとも、出たり消えたりしますか?

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