top of page
執筆者の写真院長

コロナウイルス感染経過

更新日:2022年3月13日

残念なら院長が感染してしまいました。

患者様、関係者の方に不安を与える形になり申し訳ありません。


経過についてブログを利用してご報告させていただきます。


2022年

1月22日

コロナワクチン3回目接種

  • 3/5追記 副反応:全身倦怠感と激しい複数種類の頭痛(片頭痛、群発頭痛、三叉神経痛、睡眠時頭痛)がおよそ3日間続きました。片頭痛タイプにはアセトアミノフェン(カロナール)が効きましたが、他のタイプには無効、面白かったのは睡眠時頭痛にカフェイン(コーヒー)が有効、まさに教科書通りでした。群発頭痛、三叉神経痛にはカルシウム拮抗剤が有効なのは分かっていましたが手元にないためひたすら耐えました。


3月3日、20:00

咽頭痛と微熱、コロナ抗原およびPCR(当院に装置導入しました)陰性


3月4日、5:00

解熱、咽頭痛はなくなりましたが頭痛・咳が少し、PCR再検 陽性判定

3/4~13まで自宅療養

保健センター連絡つき次第、対応協議予定


9:30

保健センターから以下の対応指示ありました。

  • 感染性期間は発症2日前(3/1)から

  • 医院関係者・保護者マスク常時着用、接触時間、空気清浄機、換気システム(当院は24時間強制換気システム導入)等から、3/1~3受診された方で濃厚接触者認定になる方はおられないと判断

  • 当院スタッフも非濃厚接触扱い(PCR検査中)

  • 医院休診期間:3/13まで

  • 電話対応、定期処方箋発行は可


12:00

当院スタッフ全員PCR陰性でした。


3月5日(発症2日目)

13:00

以下、症状の変化、私が取った治療・対処などを記入していきます。

※私個人の症状とそれに伴う治療・対処であり、全ての方に当てはまるものではなく、あくまでも読み物の一つと捉えてください。


症状はワクチン効果でしょうか 全体に軽症です。印象としてワクチンの副反応に咳が加わった感じです(1月22日の追記)。

  • 微熱はすぐに解熱、再発熱はなし

  • 頭痛を睡眠時以外一日のほぼ大半に認めています。痛みの部位は前側頭部に多く、アセトアミノフェンの効果も一時的

  • 光刺激で増強するため光誘発性の片頭痛と判断し、照明を落とし、ソファで目を閉じてリラックスした状態を取ることで多少改善

  • 葛根湯と小柴胡湯を服用、アセトアミノフェンよりも明らかに著効

  • 静かな音楽も効果がありそう。始めに試したのはモーツアルトのピアノ協奏曲20番と21番、効き終わる頃にはかなり改善していました(もっとも、今の状態ではいくら好きなサラ・ヴォーンでも聴く気にはなりませんが)、今度はショパンを試す予定

  • 乾いた咳が何度か立て続けに出て止まります。睡眠障害をきたすほどではありませんが身体を横にすると出やすくなります。入眠障害はありました。

  • 経験的にこのタイプの咳に気管支拡張剤や鎮咳薬はあまり効果がありませんが、敢えてアドエアとモンテルカストで喘息に準じた対処をしましたが無効

  • 麦門冬湯の服用で咳発作の頻度は低下、竹筎温胆湯との併用で入眠障害の改善が認められました。薬剤の反応性からおそらく気管支レベルではなく主気管レベルでの咳と推察されました。

今後症状の変化を見ながら、PCRでCq値からウイルス量の変化を観察してみたいと思います。また、回復期にS抗体、N抗体値がどうなっているのかも調べる予定です。


約2年間のコロナ禍で相当数の患者様に接していたにも関わらず、当院関係者全て一度も感染せずに経過できておりましたが、今回私のみが感染した理由を考えていました。


感染成立したと思われるのが2/28、最も考えられる原因として同日のPCR検査装置の導入です。

高濃度の患者検体を複数扱う必要があることから、機器は私一人のみが扱い、スタッフには一切触れさせないようにしておりました。

検査時には防護服始めフェースシールドなど常と同等の予防措置を取りながら操作および洗浄を行ったつもりでしたが、初めての機械で操作に不慣れなことと洗浄措置に不手際があったのかもしれません。

今後、メーカーにアドバイスをもらいながら検証したいと思っています。


3月6日(発症3日目)

5:00 最もウイルス量が多いと思われる起床時一番の唾液検体でPCR施行しました。

  • Cq値は3月4日時点とくらべて+5~6となっておりウイルス量が相当減少していることが確認されました。

  • 次回の検査は発症7日目を予定しています。

  • 詳細な経時的結果については、本ブログの総括で報告します。

  • リアルタイムPCR(qPCR)の分かりやすい解説を見つけましたのでリンクを張っておきます。

実際に症状も明らかに軽快しております。

昨日まであった全身倦怠感はほぼなくなりました。

起床時の頭痛もごく軽度、自制内なので無投薬、環境整備と安静のみで昼過ぎにはほぼ消退しました。

軽度咳嗽は認めていますが、こちらも発作性に続くことなく、全体に改善傾向です。

今後、副鼻腔炎症状が出てくる感じがします。


3月8日(発症5日目)

5:30

僅かな咳と鼻水以外は症状らしいものはなく、コロナの認識がなければ昨日から通常活動に戻っていると思います。

デルタ株と異なりオミクロン株は上気道中心に経過することが多いわけですが、今回3回目のワクチン接種が間に合ってなかったとしたら、成人例としてはそれなりに厳しい症状と付き合わなければならなかったかもしれません。

第10病日までの自宅療養は科学的データに基づいていますので、ひきつづき他人との接触を避けて3月13日までしっかり養生します。

良い機会なので、大掃除や部屋の模様替えなどしながらのんびり過ごしたいと思います。


10:50

保健センターから健康確認の連絡が入りました。

最初の連絡から今回で3回目になります。

一時、全く連絡が入らない状態であったと聞いていましたので結構早く、細やかな確認をしておられる印象です。

私が医師であるということを知らずに連絡をくれているようですので、医者だから依怙贔屓されているわけではなさそうです。

まだまだ件数は多いようですが、一時に比べると若干マシなようです。

とは言え、欧米やアフリカのオミクロンのピークアウト以降の減少速度からすると相当ゆっくりです。

欧米に比べ追加接種ペースが低いこともあるでしょうが、欧米やアフリカでは感染者数が尋常でなかったことが集団免疫獲得に無関係ではないと思います。

今後、データの科学的検証にもとづく正確な報告が出るのを待ちたいと思います。


3月10日(発症7日目)

5:00

ごく僅かな咳と鼻水は認めていますが、食欲、全身状態ともに良好です。

検査の条件を一定にするため、起床時すぐの唾液サンプルでPCRを行いました。

結果はCq値に大きな変化なく、陽性、鼻粘膜検体による抗原検査でも陽性

このような結果になることは国立感染症研究所からすでに報告があり、やっぱりねという感じでした(ガッカリ感がなかったかというと嘘になりますが)。

とは言え、報告からは明日以降大きく減少していくことが期待されますのでひきつづき客観的に評価を続けていきたいと思います。

次は3月12日、13日と連日で確認したいと思います。


3月12日(発症9日目)

5:00

ごく僅かな咳がたまに出る以外に症状はなく鼻汁もほぼなくなりした。なんとか無事に終わりそうです。

予定通りPCR施行しました。

結論から言うとCq 値はICが28、N1が34、N2変曲点(Ampdirect)なしでした。

(総括でいままでの経時的データをすべてお示しします)

過去の報告に照らすと、ウイルス量が激減してウイルスがほぼ分離困難なレベルになったと思われます。

抗原検査でも検出できなくなっていましたので、明日にはおそらく検出限界以下になっているのではないかと思います。


3月13日(発症10日目)

5:00

体温36℃、酸素99%、時々咳が出ますが、体調は良好です。

本日も抗原検査陰性でした。

本日のPCRは17:00に行う予定です。

おそらく、N1領域についてはまだ変曲点を認めると推察されますが、

Cq値がどこまで上がっているのか、ICの増加曲線との乖離はどうかにも注目してみたいと思います。


19:30

PCR Cq値 ICが31、N1が37、N2が変曲点なしでした。

今回の結果も国立感染症研究所の報告から得られる予想とほぼ同じでした。

予定通り3月14日から人数制限しながら外来を再開したいと思います。

PCR:上段3/4Raw data, 3/4補正(c), 3/6c,

下段3/10c, 3/12c, 3/13c


PCRが適正に行われたか否かを見るためにRaw dataからベースラインの大きなゆらぎがなかったか、閾値が適正に取られているかの確認が必要です。

今回全てベースラインの大きなゆらぎやドリフトはなく閾値も適正に取られていましたので、補正グラフから得られたCq値を採用しています。

N1とN2がターゲットとなる遺伝子領域ですが、病初期にはN1、N2ともICよりも明らかに多くの増幅産物があったことがわかります。

発症7日目にはICとN2が逆転、発症10日目にはN1とも逆転していることがわかります。

あくまでもリアルタイムPCRは半定量検査で厳密にウイルス量を反映しているわけではありませんので注意が必要です。


------------------

以下、総括です。


今回感染に至った原因

PCR検査装置の操作過程での感染を疑っておりますが、月末月初と年末調整時期で様々な残務処理や資料整理で4-5時間睡眠の日が1週間ほど続いていたことに思い至りました。

ブログで睡眠の重要性を訴えていたにもかかわらず、やってしまいました。

若い方でも睡眠不足を1日するだけでその回復には数日を要します。それを1週間も続ければどうなるか容易に想像できます。

私の年齢では免疫力が相当下がっていたものと思います。

予防措置(マスク、手洗い、手指消毒)を適切に行っていたという自負はありましたし、3回目のワクチン接種を済ませていたことも油断につながったものと思います。


療養期間について

国立感染研究所などをはじめとする学術的データに基づいて療養期間が決められています。

確かに10日間という療養期間は決して短いとは言えませんが、感染力の強さと私個人のデータを見ても他人に感染させないためには譲れない線なのでしょう。

しかし、こどもなどが自宅療養させられることは大人以上に精神的に応えると思います。

小児と大人ではウイルスの排出期間に差があることも考えられますので、その点の情報を積み上げ大人とは異なる指針が欲しいものです。

一日も早い集団免疫の獲得が望まれます。


ワクチンについて

幸い私はごく軽症で発熱や全身倦怠感などはすぐに軽快しました。しかし、頭痛はそれなりにしんどく、ワクチンを受けいていなかったらどれほどのものであったか不安になったのは確かです。

オミクロンはデルタより毒性が低いので怖がらなくても良いという意見はありますが、今回の実感からは感染力の強さもさることながら決して楽観できるものでもなさそうです。

高齢者の重症者が多いのはアルファ株のときから同じですが、母数が増えればそれだけ重症者・死亡者が増えるのは当然です。

では若い方はどうかというと、中学生以上や若い親御さんでも相当しんどいかたは少なからずおられます。しかし、小学生以下の児童はワクチン未接種でもほとんどが軽症に経過しています。以上から18歳以上の方のブースター接種のメリットは大きいと思います。

では5-11歳のワクチンは?

アメリカのデータでは有効率90%という報告がある一方で50-60%という報告も見られます。副作用も濃度が1/3であり、大人よりも軽いという報告はありますが...........医者のあいだでも評価は定まっていないようです。

確かに、こどもでも感染者数が多くなれば小児多系統性炎症性疾患(MIS-C) になる子が出たり基礎疾患のある子の重症化は懸念されます。

ですので私個人としては基礎疾患のある方の接種はお勧めしています(当院では薬剤管理等の点から行っていませんが)が、接種したくない人に敢えてお勧めしませんし、接種したいとおもっている人にやめろととも言いません。

しかし、高齢者にうつさないためにこどもにワクチンをという論点では納得はできかねます。それなら高齢者のブースター接種を加速すべきだと思います。


補足

現時点では診断的価値はないとされていますが、経時的に抗体価も検査して見たいと思います。



2022年3月13日

院長

閲覧数:2,427回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Komentarze


Komentowanie zostało wyłączone.
bottom of page